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症例名

会陰ヘルニア

えいんへるにあ

2012年2月2日 木曜日

症状 / 特徴

会陰ヘルニア 会陰ヘルニア

未去勢のオスで高齢の犬に多く見られる症例です。
特発犬種としては、ボストンテリア・ボクサー・コーギー・ペキニーズなどがあります。
殆どの症例では、排便困難、便秘もしくは会陰部の腫脹が認められます。
また、膀胱がヘルニアを起こしてしまった場合には、元気食欲の低下・嘔吐が認められる場合もあります。

診断

診察室内における直腸検査により、直腸の逸脱・筋肉による支持の欠如・直腸憩室などを確認することにより診断が可能となります。
また、肛門から逆行性に造影剤を注入し、レントゲン検査により診断を行う場合もあります。
膀胱が反転してヘルニアを起こしている可能性がある場合には、超音波検査やレントゲン写真、尿道カテーテルの挿入などを行い確認をします。

処置

外科処置が一般的な処置となります。
直腸がヘルニアを起こしている処置の方法としては、会陰部におけるヘルニア輪の閉鎖および腹腔内からの腸管や膀胱などの頭側への牽引・固定を行います。
膀胱がヘルニアを起こしている場合、腎後性腎不全が併発している可能性があるため、血液検査ののちに十分な静脈輸液を行うことで、腎機能を回復させる必要があります。しかし、経過が長い場合は継続的な治療が必要になることがあります。

経過および予後

比較的良好ですが、ヘルニア輪の再度の開口が認められることがあり、再手術が必要な場合もあります。
また、腎後性腎不全を起こしているものに関しては、予後不良の場合もあります。

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